フェンスが完成して、庭の輪郭が見えてきました。
次はウッドデッキです。
この記事では、3段構成の第1期デッキ(築山側)の設計思想と、基礎・束・根太の選定理由、費用の概算をまとめます。
デッキ設計の出発点は「動線」
デッキの設計で最初に決めたのは形でも広さでもなく、動線でした。

わが家には庭に面した掃き出し窓が2か所あります。
築山に面した側の親世帯の窓と、もう少し奥まった側の子世帯の窓。
この2つをつなぎ、双方から庭にスムーズに降りられるルートが、庭を有意義に使ううえで一番大事な動線だと考えました。
まず最初に決めたのは築山側の「上段デッキ」です。

掃き出し窓に沿うような築山の尾根に、デッキから直接降りられる造りにしたい、というのは計画の早い段階から決まっていました。
その次に「上段デッキから地面に降りてどう動くか」を考えて、「中段デッキ」と最も低い「下段デッキ」の形が決まっていきました。
もう一方の奥にある掃き出し窓へつながる動線については、なかなか決めきれず、後回しにすることにしました。
「この動線を実現するデッキを作る」──これがデッキの計画の出発点です。
3段で庭に降りる構成
掃き出し窓と築山の尾根とは約30cm、庭の地面とは約70cmの高低差があります。
この高さをどう降りるか。
築山にはデッキを掃き出し窓から少し下げれば直に降りられます。
また地面にはデッキから二段の階段で降りられそうです。
そこでデッキそのものを3段構成で製作することにしました。
下段デッキ(約5㎡)から中段デッキ(約1㎡)、上段デッキ(約5㎡)と段を上がっていく形です。
地面~下段デッキ~中段デッキ~上段デッキの各段は約18cmほどとりました。
3段構成のデッキに決めた理由
決め手になったのは犬と人のアクセスのしやすさです。
部分的な階段だと動線が限定されるし、犬は思わぬところから飛び降りてしまう。
デッキ全面を緩やかなステップのように使える造りが、チョコとくろにも、人にも優しい動線だと考えました。


先に植えた樹木との兼ね合いを考える
デッキより先に樹木の植栽を外構工事と同時に済ませていたので、デッキは植栽を避けるように設計しました。
避ける方法は次のいずれかです。
- 木を避けてデッキの形をデザインする
- デッキ優先で考えて、木に当たる部分はデッキに穴を開ける
穴を開けると根太の設計がややこしくなるので、なるべく避ける方向で設計します。
悩んだのが下段デッキ角のオリーブの木です。
避けるとデッキが狭くなりますが、下段デッキは動線の通路と割り切ることにしました。

デッキはここまで
基礎・束・根太の選定
基礎はピンコロで統一
基礎は原則W150×D150×H120のコンクリートピンコロを使用しました。
地中の管が邪魔で掘れない箇所があったため、そこはH50のコンクリート板で代用しています。
フェンスの独立基礎と違い、デッキは倒れる心配がないのでピンコロで十分対応できます。
なお築山のコンクリートブロックの土留めは、高さとデザインを外構業者と相談して上段デッキの基礎も兼ねるよう施工してもらいました。

土留めブロックに束を固定できたので、この部分はピンコロ基礎は必要なく、コストと手間を省くことができました。
束はデッキの高さで使い分け
デッキを支える「束」は高さによって種類を使い分けています。
土留めブロック上に固定する束や低い下段デッキには主にマルチポスト(プラ束)を使いました。

ねじを回すだけで高さを無段階で調整でき、水平出しが簡単です。
束はコンクリートピンコロにボンドで固定します。
中段デッキと上段デッキは高さがあるので鋼製束を使用。

(半分かぶさってるのは防草シート)
マルチポストは高さが出せるものは価格が高いので、高さのあるデッキには鋼製束を使用します。
ただし幕板(デッキの側面を覆う板)を取り付ける部分は、鋼製束だとビスを打てないので幕板が取り付けられません。
幕板を固定する角の束はイタウバの角材を羽子板付きの束石にボルトで固定して、ビスを打てる面を確保しました。

根太はアルミで統一
根太(デッキ面の板を支える横架材)はすべてアルミ根太を使用しています。
木材の根太と比べると歪みや曲がりがほとんどなく、耐久性も高い。
デッキ面の仕上がり精度が上がるうえ、長持ちもする。
価格はイタウバの根太材とほぼ同程度だったのでアルミを選びました。
この工法のメリットとデメリット
束の高さをねじで微調整でき、アルミ根太は曲がりがないので、水平出しが簡単で精度が高いのがこの組み合わせの最大のメリットです。
デメリットは幕板が張りにくいこと。
束も根太も金属なのでビスを打つ面がなく、幕板の固定に工夫が必要です。
この詳細は製作編でお伝えします。
デッキ下の桝へのアクセスと物置としての活用
デッキを設計するときに見落としがちなのが、デッキ予定地の地面にある桝です。
わが家の場合、デッキ下に汚水桝がいくつかあります。
定期的なメンテナンスが必要な箇所ですが、デッキを張ってしまうとアクセスできなくなります。
この問題を計画の段階から考慮して、デッキ材をボルトで固定し、六角レンチで外してデッキ面を開けられる仕組みを取り入れました。
レンチでボルト4か所を外して持ち上げれば簡単に開きます。

この仕組みは上段デッキで多用しています。
上段デッキは高さがあるので、デッキ下に空間が生まれます。
桝の上以外にもこの仕組みを何か所か設置して、デッキ下全体を物置スペースとしても活用できるようにしました。
使わなくなった植木鉢は意外と場所を取るし、庭に出しておくと景観も損ないます。
デッキ下はそれらの格好の収納場所になっています。
デッキ面の材料はイタウバ
デッキ面の材料はフェンスと同じイタウバを使用します。
樹種の選定理由はフェンス計画編で詳しく書いたので、ここでは省略します。
フェンス計画編でも書いた通りイタウバは以前から使用して気に入っていたので、デッキも迷わず同じ材を選びました。
ハードウッドは経年でシルバーグレーに色落ちしていきますが、フェンスもデッキも同じ素材なので、時間が経つほど庭全体の構造物の色が自然に揃っていきます。
費用の概算
第1期デッキ(築山側の3段デッキ)の材料費は約15.8万円でした。
詳細な内訳は製作編でまとめます。
マルチポスト・鋼製束の使い分けも効いていますが、一番大きかったのは短辺方向の板張りが多かったので短材を多く使用できたことです。
短材とは1メートル前後までの長さのもの木材を指し、長材より割安です。
設計の段階で短材を活かせる寸法を意識するとコストを抑えることができます。
第2期のデッキは「完成を見てから決める」
今回の計画編は、3段構成の第1期デッキ(築山側の3段デッキ)の設計の話です。
第2期デッキ(奥の掃き出し窓側)については、第1期デッキを仕上げながらデザインを詰めることにしました。
唯一の決めごとは「第1期デッキの最上段から、奥の掃き出し窓まで動線をつなぐこと」。
そこだけ決めておいて、実際の形は第1期デッキを製作しつつ考えることにしました。
第1期が完成すると、第2期との接続部分の高さや奥行きが実寸でわかります。
図面上だけで詰めるより、実物を見ながら決める方が精度が高いしイメージも膨らむ──というのが正直なところです。
第2期デッキがどんな形になったかは、この連載の後半でお伝えします。
次回予告:ウッドデッキ製作編(第1期)
計画が固まったら、いよいよ製作開始です。
ピンコロ基礎の設置から根太組み・デッキ面張りまで、第1期デッキの全工程をお伝えします。


コメント