スロップシンク下の収納をDIYで製作【準備編】では住設にあわせた色選び・採寸・図面製作までを解説しました。
この記事では、洗面化粧台と色を揃えて造作家具のようなスロップシンク下の収納をDIYするための、具体的な組み立てと仕上げのコツを詳しく解説します。
※製作中に写真を撮影していなかったので、写真は全て完成・据え置き後の写真となります。
スロップシンク下の収納をDIYで作る全工程は以下の7ステップです。
- 骨組みの製作
- 天板のカットと取り付け
- 扉の製作
- オレフィンシート貼り
- 扉の取り付け
- 底板の製作と取り付け
- 設置と補強の取り付け
制作の難易度について
この収納DIYの最難関は、スロップシンクの曲面にあわせた天板の曲線出しと加工です。スロップシンクは側面が曲面になっている製品が多く、上の写真のようにシンクを天板に埋め込むにはシンク側面の曲線の型紙を作成して、天板を曲線にカットする必要があります。 難易度を下げたい場合は、スロップシンクの底面と収納天板の高さを揃える方法があります。見栄えは多少落ちますが、曲線加工が不要になり工程が大幅に簡単になります。
1. 必要な道具
| 道具 | 用途 |
|---|---|
| 丸鋸 | 木材のカット(プレカット依頼なら不要) |
| インパクトドライバー | ビス留め全般 |
| ジグソー(※) | 天板の曲線カット |
| クランプ | 木工ボンドが固まるまで固定する |
| 紙やすり | 木材の表面の仕上げに使用 |
| 鉄やすり | 天板の曲面の微調整に使用 |
| 座ぐりドリル(35mm) | スライド丁番の取り付け穴あけ |
| 垂直錘(※) | スロップシンク側面の曲線を床に投影する |
| ドライヤー | オレフィンシートを温めて曲面に馴染ませる |
特に座ぐりドリルとスライド丁番は、既製品のような『ソフトクローズの扉』を作るための必須アイテムです。


木材のカットはプレカット対応の店舗に依頼するのがおすすめです。細い部材が多く、自分でカットするより精度が出やすく手間も省けます。DIYラボ(diy-lab.jp)はカット無料で対応しています。
2. 骨組みの製作
図面通りにカットした木材を、木工ボンドとコーススレッドで組み立てます。

ボンドで先に接着して組み立ててからビスを打つと組み立てが簡単で強度が出せます。
部材が細いものが多くて割れやすいので、下穴を開けてからビスを打つのが無難です。
なお木材面よりビスの頭が高いのはNGです。
ビスの頭が出ていたり凹んでいたりするとオレフィンシートを貼った時に目立ってしまうので、木材の面とぴったり同じ高さか、気持ち低いくらいまでビスを打ち込むようにします。
3. 天板のカットと骨組みへの取り付け
この工程がスロップシンク下収納のDIYで最も難しい部分です。
シンク側面の曲面に天板をぴったり合わせるための工程なので、次の手順で焦らず丁寧に進めます。
① 3枚の板を木工ボンドで貼り合わせて凹型の1枚板を作る
天板はスロップシンクの曲面をくり抜くので、材料の節約のために3枚構成にしています。

ボンドがしっかり乾いてから次の工程に進みます。
② 型紙を当てて曲線を描く
準備編で作った型紙を天板に当て、鉛筆で曲線を描き込みます。
③ ジグソーで曲線をカットする
線に沿ってゆっくり切り進めます。
曲線部分は慎重にゆっくりと切断します。
④ 断面をやすりで仕上げる
スロップシンクの側面は曲面です。
天板の断面には傾きをつけた方が以下の点から仕上がりを奇麗にできます。
- シンクにあわせながら少しずつ削れるので曲面の微調整がしやすい
- 断面に傾きがあった方がオレフィンシートが張り易い
骨組みに載せた状態でシンク側面に当てて隙間を確認しながら、やすりで天板の上側を少しずつ削っていきます。
なおジグソーで切断した状態でシンクの側面にぴったりと合ったならば、断面に傾きを付ける必要はありません。
⑤ 骨組みに天板を取り付ける
木工ボンドとビスで固定します。
4. 扉の製作
扉は以下の手順で製作します。
① 枠組みを組み立てる
図面通りに枠組みを木工ボンドで接着します。
ベニヤを張れば強度が出るので、ビスは打たなくても大丈夫です。
② 扉の枠組みの表面にベニヤを張る
扉の枠組みの上に、大きさを揃えたカットしたベニヤを木工ボンドで張ります。
固まるまでクランプでしっかり固定します。
扉の枠組みに左右がある場合は、ベニヤの張る面を間違えないように注意してください。
③ 座ぐりドリルで取り付け穴をあける
スライド丁番に合わせたサイズ(今回は35mm)の穴を、スライド丁番の説明書に従って、座ぐりドリルであけます。
5. オレフィンシート貼り
骨組みと天板、扉が組みあがったらオレフィンシートを貼ります。
貼る前に、ビスの頭が沈みすぎているところにはパテ等で木材面まで埋め戻します。
そうすることによってオレフィンシートを貼った時にビス跡がわからなくなります。
またビス頭が出ている個所があったら締め増しておきます。
シートは以下の手順で貼ってゆきます
① プライマーを塗る
貼り付け面全体にプライマーを塗り、乾燥させます。
プライマーを塗ることでシートの密着度が大幅に上がります。
省略するとシートが剥がれやすくなるので、プライマーの塗装は行うほうが良いでしょう。
② シートを貼る
見える面をすべて覆うように、準備編で決めた順番通りに貼っていきます。
私がシートを貼ったのはつぎの部分です。
- 天板:上側と断面すべて。裏側は糊しろとして数センチ
- 前面:すべて
- 側面:扉の支柱となる骨組みの、裏側を除く3面
- 底面:前面側の骨組みの、裏側を除く3面
気泡が入らないようにヘラや短めの定規で押さえながら貼ると仕上がりがきれいに仕上がります。
角の部分は、角に沿ってしっかりと折り目を付けてから貼るようにします。
プライマーを塗っている部分に貼りついてしまうと剝がすのが大変なので、オレフィンシートの剥離シートは必要な部分だけ破いて剥がしながら貼ると作業がしやすいです。
③ 曲線部分はドライヤーで温めながら貼る
曲面部分はシートをなじませるためにドライヤーで温めながら貼ると作業がしやすいです。
温めるとシートが柔らかくなり伸びるので、曲面に沿って貼ることが出来ます。
断面~裏面は隠れてしまうので多少たわんだりしても大丈夫です。
裏面は切れ込みを入れて無理やり貼り付けました。
表面だけはキレイに仕上げます。

④ 扉の座ぐり穴の部分の貼り方
扉に開けた35mmのスライド丁番の取付穴には、一旦穴を塞ぐように貼ってしまいます。
貼った後にピザを切るように8等分に切り込みを入れて、穴に押し込むように貼ります。
この時もドライヤーで温めながら貼ると円形の穴にシートがしっかりと馴染みます。
6. 扉の取り付け
① スライド丁番を扉に取り付ける
丁番のカップ部分を穴にはめ込み、ビスで固定します。
② 扉を支柱に取り付ける
スライド丁番のプレート部分を支柱にビスで固定します。
クランプでスライド丁番を支柱に仮固定してからビスを打つと作業がしやすいです。
③ 調整ネジで位置を合わせる
スライド丁番は調整ネジで扉の上下・左右・前後を微調整できます。
扉の傾きや隙間のバランスを見ながら調整します。
7. 底板の製作と取り付け
ベニヤをカットして底板を製作します。
底板はビスやボンドで固定しませんでした。
固定しないと多少たわみがありますが、物を置けばたわみが収まります。
固定する・しないはお好みで。
8. 設置と補強の取り付け
奥側は強度が弱そうなので、補強のための横材を取り付けました。
鬼目ナット(木材に埋め込んで金属ボルトの受けを作るインサートナット)を奥の縦材に埋め込んで、本体をスロップシンク下に設置します。
設置した後で、配管の奥側に横材を渡してボルトで固定しています。

9. 仕上がりと使い勝手
完成した収納を実際に使って気づいたことをまとめます。

見栄えと失敗した箇所
オレフィンシートの色が洗面台の色とかなり近く、造作家具のような仕上がりになりましたが、3点、難しかったり失敗した部分があります。
① 天板とスロップシンク側面の隙間の幅がやや不揃い。スロップシンクの曲面に沿って均一な隙間幅で仕上げるのは不可能に近いので仕方ない点だと思っています。隙間の奥は真っ暗なので本体がダーク色なので、よくよくのぞき込まないと不揃いには気が付きません。
② 35mmのスライド丁番の取付穴の位置を間違えて開けてしまった。部分的にオレフィンシートを剥がして、穴に詰め物をしてシートを貼りなおしましたが継ぎ端いだ跡が残ってしまいました。

③ 隅の部分にオレフィンシートを完璧に張り切れなかった。茶色のマジックで塗ったらほぼわからなくなりました。
これらは場所的にはそれほど目立たず、総じて良い仕上がりだと思います。
ソフトクローズの甘さ
扉の下側にはダンパー付き、上側にはダンパー無しのスライド丁番を使いました。
スライド丁番のダンパーは強度の調整が出来ますが、ダンパー付きが1つだと最強度にしてもソフトクローズがゆっくり過ぎる感じがします。
上下ともダンパー付きを選んだ方が正解だったかもしれません。
収納力
スロップシンクの下に充分な収納スペースを確保できたと思います。
水周りの清掃で使用する、洗剤、バケツ、ブラシ、雑巾、ゴム手袋などを収納しています。

他の収納箇所に入れるのは少し憚られるような汚れやすい物でも、ここであればそれほど抵抗感なく入れておけます。


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