アルミフレームでフェンスと一体化したデッキをDIYしました。
デッキの根太とフェンス支柱をひとつの構造として設計できるアルミフレームの特性を活かした形で、玄関ポーチまわりの4つの課題をまとめて解決しています。
この記事では設計から基礎工事・組み立て・仕上げまでの全工程を解説します。
デッキ材の固定は見栄えも作業性も良いオリジナルの方法で行いましたので、そちらも含めてご紹介します。
なおアルミフレームの特徴や木材との比較についてはパーゴラDIYの記事で詳しくまとめていますので、あわせてご覧いただければと思います。
設計—4つの課題を整理するところから始めた
製作の目的
今回のDIYには解決したい課題が4つありました。
① 隣地境界にフェンスを設けたい
隣地との境界に2段ブロックが積まれていますが、フェンスで区切りたいと思っていました。
うちの玄関の正面にお隣の掃き出し窓があるので、最初は目隠しになる高いフェンスを考えていましたが、防犯上の観点から腰高のフェンスに変更しました。
② 裏庭へのアクセスを改善したい
ポーチから裏庭に抜けるには、幅70センチほどの狭い通路を通り、さらに40センチほどの段差を降りなければなりませんでした。

地面~ポーチの高低差40cm
この動線を改善して、広い場所に出てから2段で段差を降りられるようにしたかったのです。
③ ポーチ脇の土面をフラットにして広く使いたい
ポーチと隣地ブロックの間の幅40センチの土面が中途半端に残っていました。

ここをデッキで埋めてポーチとフラットにつなげることで、ポーチまわりを広々と使えるようにしたいと考えました。
④ 外水栓まわりを使いやすくしたい
上の写真正面の袖壁の裏側に外水栓があります。

裏庭に出るのと同様、狭い通路と段差を降りねばならずアクセスが悪い。
ガーデンパンも設置したかったので、外水栓までデッキからアクセスしガーデンパンをデッキ上に置いて使い勝手を改善することにしました。
なぜアルミフレームを選んだか
幅40センチという制約の中でデッキとフェンスを両立させるには、デッキの根太とフェンス支柱を一体化した構造が理想でした。
アルミフレームはブラケットとボルトで強度を保って比較的自由に組めるため、この一体化がしやすく、今回の構造には最適であると考え選択しました。
なおアルミフレームの設計にはミスミが無料で提供する専用設計ソフト「MISUMI FRAMES」を使用しました。
CADで寸法を描くと部材リストが自動生成され、そのまま発注まで完結できます。
詳しくはパーゴラDIYの記事で解説しています。
デッキの構成
今回製作したデッキは一体化していますが、2つのゾーンで構成されています。

ひとつは玄関ポーチに沿った幅約40センチの通路状デッキ(ゾーン①)。
隣地上階のブロック塀との隙間に収まるサイズで、アルミフレームのフェンスと一体化した構造にしました。
フェンスはポーチの階段に沿って2段階の高さ(腰高程度)の手摺状になっています。

もうひとつは①から連続して玄関ポーチから裏庭に抜ける広めの階段兼デッキ(ゾーン②)。
ガーデンパンの置き場も兼ねています。
人工木デッキ材の割り付け計算
人工木のデッキ材は幅145mm・厚み25mmの中空材を使用しました。
人工木は天然木と違って製品ごとに幅が均一で個体差がありません。
この特性を活かして、デッキ材を縦に割かなくて済むようミリ単位で割り付けを計算しました。
デッキ材の固定手法もデッキの隙間の幅調整が多少効くので設計通りにぴったり収まりました。
ガーデンパンの穴位置は事前にしっかり計測
ゾーン②にはガーデンパンの排水口を排水管に接続するための丸穴をデッキ材に開けました。
一条工務店が設置してくれた排水管の位置を正確に測量して、排水ホースを付けなくても済みそうなガーデンパンを購入しました。
実際にデッキを張るときに、排水管にあわせてデッキ材には穴をあけます。
材料と費用—デッキ材は人工木、骨組みはアルミフレーム
使用した材料と費用
今回の総費用は181,000円でした。
内訳は以下の通りです。
| 材料 | 費用 |
|---|---|
| 人工木デッキ材 | 47,000円 |
| アルミフレーム+専用金具 | 110,000円 |
| その他(基礎材・コンクリートなど) | 24,000円 |
| 合計 | 181,000円 |
人工木を選んだ理由
人工木を選んだ理由は2つあります。
ひとつは寸法の均一性です。
天然木は幅の個体差があり、割り付けが想定通りにいかないことがあります。
人工木は個体差はなく幅が揃っているため、設計通りの割り付けが実現しやすいです。
もうひとつはデザインの相性です。
玄関まわりはタイル系のモダンな素材でまとめているため、天然木の風合いより人工木のすっきりとした質感の方が合うと判断しました。
また、腐食しないためメンテナンスもほぼ不要な点も後押しになりました。
今回選んだデッキ材には幕板専用の部材が用意されているものを選びました。
デッキの側面に幕板を取り付けることで、土台のアルミフレームが見えずすっきりとした仕上がりになります。
アルミフレームの組み立て方
ミスミのアルミフレームは、断面に溝が入ったフレーム材に「先入れナット(Tナット)」をあらかじめセットし、後からブラケットをボルトで締めて固定する仕組みです。
専用金具とボルトを使ってフレーム同士を直角に繋げられるため、DIYでも強固な構造が作れます。
フレームの寸法はCADで設計した通りにカットされた状態で届くので現場での切断作業も不要です。
製作記録—基礎から仕上げまでの全工程
1.基礎の穴掘りと仮組み
まずデッキの脚となる位置にコンクリートを流し込む四角い穴を掘り転圧して砕石を敷いたのちに木枠で穴の内側を囲みます。
その穴にアルミフレームの脚が入るようにしてアルミフレームの土台を仮組みします。
穴を先に掘るのは、その場でアルミフレームを仮組してそのままコンクリートで固めるためです。
基礎は独立基礎の既製品ではなく、木枠を現地で製作してコンクリートを流し込む方法を採用しました。
狭小スペースという制約から、既製の独立基礎では対応しにくかったためです。
木枠はコンクリートが硬化後に剥がしやすいように剥離剤を塗っておきました。
なお、組み立て中にTナットの入れ忘れが頻発して手戻りが多く発生しました。
この反省を活かして、後に製作したパーゴラでは後入れナットを一部採用しています。
フレームごとに「必要なナットをすべて通したか」を確認してから次の工程へ進む習慣をつけるよう心掛けましたが、完璧に漏れなく入れ込むことは最後までできませんでした。
2. 位置・高さ・水平の調整とコンクリート固定
位置・高さ・水平の調整のしやすさがアルミフレームでデッキの脚と根太を組む最大の利点です。
木材で脚と根太を組む場合、脚を決めてから上部を製作していくため、高さのやり直しは手戻りが激しく、水平も根太一本ずつ決めてゆきます。
アルミフレームであれば土台全体を仮組みした状態で位置・高さ・水平を納得いくまで調整してからコンクリートで固められるため、施工精度が格段に上がります。
アルミフレームは互いにブラケット固定なので直角は担保されているし、高さ調整の出来る束や端材で支えておけば全体の高さや水平の調整も比較的楽にできます。
今回はデッキ面とポーチ面をフラットにして面を合せたかったので位置も高さもシビアに決めることが求められましたが、この構造のおかげでフラットな面が理想の位置に出来上がりました。
全体の調整が済んだらブラケットのボルトを本締めし、コンクリートを流して固定します。


3. デッキ材の固定—考え抜いた「座金+Tナット」工法
今回のDIYではデッキ材の固定方法にもこだわりました。
一般的なデッキ材の固定はビス打ちや専用クリップが多いですが、アルミフレームとの相性を考えてオリジナルの方法を考案しました。(ちゃんと探せば先駆者はいるかもしれませんが)
固定の仕組み
採用した人工木のデッキ材は中空断面で、側面に溝があります。
この側面の溝を利用して固定します。

アルミフレームのレールに通したTナットにボルトを浅く通し、座金を仮止めしておきます。
この状態でデッキ材の溝を座金の下に横からスライドさせて差し込み、所定の位置でボルトを締めて固定します。

座金はデッキ材の溝の隙間より大きいため、締め付けるとデッキ材がアルミフレームと座金で上下から挟まれてしっかり固定される仕組みです。

この方法の3つの利点
- 表面にビス頭が出ないため、見た目がすっきりします
- スライドで位置決めできるため、横から差し込んで動かせて位置の微調整が楽です
- 座金の大きさの範囲でデッキの隙間幅を調整できるため、デッキ材の間隔を微調整することで割り付けの誤差を吸収できます。
人工木の均一性と組み合わせることで、設計通りの仕上がりが実現しました。
4. 仕上げ—幕板、レールカバー、ガーデンパンの設置
幕板の取り付け
デッキ材の外周には幕板を取り付けました。

切断面を上から隠せるので見た目が美しくなります。
ただし5mmほどの段差ができるので、歩行面には段差が出来ないように正面にはデッキ材を幕板としてボルト止めしました。
このボルトも裏側はTナットで固定しています。
幕板を付けることで土台のアルミフレームが隠れてすっきりした印象になります。
レールカバーの取り付け
今回フェンスに使用したサイズのブラックのアルミフレームは、4面すべてにTナット用のレールがある仕様でした。
上面のレールをむき出しのままにすると溝に汚れが溜まりやすいため、ゴム製のレールカバーを押し込んで取り付けました。
見た目もすっきりします。
メーカーやカラーによってはレール無しの面が用意されている場合もあるので、アルミフレームでフェンスを作る場合は、上面の処理も事前に考えておくことをおすすめします。

ガーデンパンの設置
設計時に測量した位置に合わせてデッキ材に丸穴を開け、ガーデンパンを設置しました。
排水管の位置と穴がぴったり合ったのは、事前の測量を丁寧にやってそれに合わせてガーデンパンを選定した成果です。


測量したり面倒ですが、しっかりとやっておくと後工程での余計な加工や手戻りや出費が避けられます。
まとめ
幅40センチという制約の中で、デッキ・フェンス・ガーデンパンのスペースを一体化して階段状に仕上げることができました。
アルミフレームのおかげで構造の自由度が高く、狭小スペースでも設計通りに収めることができたと思っています。
今回、特に工夫が活きたのはアルミフレームの仮組後に全体の位置調整をする工程と、デッキ材の固定方法とです。
どちらも「後から調整できる余地を残す」という発想が共通していて、それがDIYの作業のしやすさと仕上がりの精度に貢献しました。
アルミフレームを使ったDIYに興味のある方の参考になれば幸いです。

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