ドッグラン全体の構想はまとまり、いよいよ最初の「フェンス」から製作です。
ドッグランDIYの全体計画はこちら
外周は約35メートル、柱は全部で28本。
長らくDIYをやってきましたが、今までにないスケールです。
チョコラテとくろまめが安心して走り回れる空間にするために、まず「どんなフェンスにするか」をしっかり考えました。
この記事では、フェンスに求める条件の整理と仕様の決定、フェンスの柱を立てる方法、そして意外と知られない法規制まで、計画段階で検討したことをまとめて紹介します。
フェンスに求める条件と、そこから決まった仕様
フェンスに求めた4つの条件
フェンスには次の条件を求めました。
① 犬が外に出られないこと、これは絶対
チョコとくろは小さく、ちょっとした隙間があればすり抜けてしまいます。
フェンスは隙間なく庭全体を囲い、高さや板の間隔は慎重に決める必要がありました。
② 道路側は目隠しになること
道行く人から庭が丸見えだと落ち着きません。
道路側フェンスはしっかり視線を遮りたいと考えました。
③ 閉塞感がないこと
完全に囲まれた「箱」のような空間にはしたくない。
圧迫感はないけれどチョコとくろは安心して放せる、が両立するよう考えました。
④ 風を逃がせること
目隠しフェンスは風圧を受けやすく、台風時の倒壊リスクがあります。
風の影響をなるべく受けない設計を目指しました。
4つの条件から決まったフェンスの構成
4つの条件を満たすために行き着いたフェンスの構成がこちらです。

境界フェンス:下部に板3枚、そのすぐ上にワイヤーロープ3本
地面から420mm程度の高さまで幅105mmの板を55mmの間隔をあけて3枚横張り。
その上にワイヤーロープを3本、80mm間隔で張って、計660mm程の高さまではチワワが通り抜けることはできません。
ワイヤーロープ部分は開放感と風通しを叶え、コストも落とせます。
柱は900mmで上端に笠木を設置します。
目隠しフェンスは上部にも板を追加
目隠しが必要な道路側は、ワイヤーロープまでは境界フェンスと同じ構成ですが柱は約1300mm、上端の笠木の下に板を3枚張って道行く人の目線が通りにくいようにします。
板の隙間は55mm
チワワの頭が通り抜けられない幅として、板と板の間は55mmに統一しました。
完成後、好奇心旺盛で外の世界が大好きなチョコは、しょっちゅう板の隙間から外を覗いていますが、通り抜ける気配はありません。

また目隠しとしては隙間は広めですが、程よく視線は遮れます。
笠木は2枚張り合わせ、上面にビスを出さない仕様
見た目を重視して、笠木は2枚のイタウバを張り合わせる方法に。
表面にビス頭が見えないきれいな仕上がりになります。

資材はイタウバ一択
屋外の大型DIYの材料はここ5~6年はイタウバ一択です。
試しにウリンを使ったこともありますが、それも踏まえてイタウバを選んだ経緯をまとめておきます。
ソフトウッドとハードウッドのどちらにするか
まず考えないといけないのは、ハードウッドかソフトウッドのどちらで造るか。
ウッドフェンスやウッドデッキの製作に使う木材は大きく「ソフトウッド」と「ハードウッド」の2種類に分かれます。
ソフトウッドは杉・ヒノキ・SPFなど針葉樹系で、価格が安く加工しやすいのが特徴。
ただ屋外での耐久性は低く、防腐塗装を定期的に塗り直さないと数年で傷んできます。
ハードウッドはイタウバ・ウリン・イペなど熱帯広葉樹系で、無塗装でも20〜30年以上もつ耐久性が強みです。
| 比較項目 | ソフトウッド | ハードウッド |
|---|---|---|
| 代表的な樹種 | 杉・ヒノキ・SPF | イタウバ・ウリン・イペ |
| 材料費 | 安い | 高い |
| 耐久性 | 低い(屋外5〜10年) | 高い(屋外20〜40年) |
| メンテナンス | 定期塗装が必要 | 基本不要 |
| 加工性 | 易しい | やや難しい |
ソフトウッドは塗装が面倒くさい。そして塗装を怠ると早くに傷む。
- ハードウッドは製作時のコストと手間がかかり
- ソフトウッドはメンテナンスのコストと手間がかかる
長期ではソフトウッドの手間とコストはバカにならないのでハードウッドを使っています。
ハードウッドはどの木材にするか
ハードウッドの中でも樹種によって価格・耐久性・加工のしやすさがかなり異なります。
| 比較項目 | イタウバ | イペ | ウリン | セランガンバツ |
|---|---|---|---|---|
| 費用目安※ | 100 | 167 | 111 | 94 |
| 耐久年数の目安 | 30年以上 | 30年以上 | 30年以上 | 15年以上 |
| ささくれ | 出にくい | やや出る | やや出る | 出やすい |
| 加工性 | 比較的楽 | 硬くて大変 | 硬くて大変 | 比較的楽 |
フェンスとデッキの材料は揃えるので、ささくれが出にくい方が良い。
この点ではイタウバが一歩抜きんでていて、その他の耐久性・価格・加工性のバランスも申し分なくいつもイタウバを使っています。
実はウリンも使ったことがあるのですが、加工の難易度が全く別物です。
ウリンは硬すぎてのこぎりの刃が傷みやすく、下穴サイズがちょっと小さいとビスが通らないし割れやすく、とにかく手強い。
それに比べるとイタウバは同じハードウッドでもはるかに扱いやすく、DIYに向いた木材だと実感しています。
柱脚金物を使う理由
フェンスの柱を固定する方法として、「柱が直にコンクリートに埋め込まれている」のをよく見かけます。
しかし今回は柱脚金物を使うことにしました。
柱脚金物とは、コンクリートの基礎に金物の根元を埋め込み、柱をボルトで固定するパーツです。
これを使う理由は以下の4つです。
理由① 埋込位置の調整がしやすい
柱を直埋めすると、重量があるので垂直に固定するのが手間だし、コンクリートが固まり始めた後に「重みで傾いていた」なんて状況も想像してしまいます。
軽い金物を高さと水平をしっかり揃えてモルタルに固定しておけば、重い柱は後からボルト固定すればよいので比較的楽に柱の設置ができます。
理由② 柱の腐食を防げる
モルタルに直接木を埋め込むと、木とコンクリートの境界部分に水が溜まると木材の腐食の原因になります。
金物を使えば柱の根本が地面から浮くので、この問題が解消されます。
理由③ 独立基礎のひび割れ防げる
木材を独立基礎に直接埋めると、木材の膨張する力でコンクリートが割れることがあると聞いたことがあります。
実際に直接埋める方法で柱を立てたことは無いのですが、その事態にあって後悔することは避けたかったので、柱脚金物を使うことにしました。
理由④ 将来のメンテナンス性
万が一柱が傷んでも、ボルトを外して柱だけ交換できます。
直埋めだと基礎ごとやり直しになりますが、柱脚金物を使えば木材だけの交換で済みます。
今回使用する柱脚金物
今回選んだのは、外構業者が勧めてくれたブラックの70mm角用です。
最初は価格の安い製品を自分で選んでいましたが、90mm角で見た目がちょっと野暮ったい。
「フェンスの見た目に響くから」と業者に背中を押してもらい、値は張りますがこちらを選んで正解でした。
70mm角の柱が使えることでスッキリとした仕上がりになり、ブラックの色もイタウバとよく合っています。
フェンス柱の基礎の設計
次にフェンス柱の基礎の設計です。
今回のフェンスは、外構業者が施工したブロック塀の上に乗せるのと、地面に独立基礎を埋めるのとの2パターンがあります。
ブロック上に柱を立てる(14か所)
ブロックの施工時に柱脚金物を埋め込んでもらい、その上からフェンスを立てます。こちらは外構工事の段階で業者に依頼し、ブロック穴に埋め込んで設置してもらいました。
金物の実費だけで対応してもらえました。

(ドッグランとは別の場所の写真です)
独立基礎に柱を立てる(14か所)
道路側の目隠しフェンスは高さがあるので、ブロックの上にフェンスを建てることが出来ず(理由は後述します)、目隠しフェンスの部分は地面に独立基礎を埋めて柱を立てます。
独立基礎のサイズは以下を選択。
| フェンスの種類 | 寸法 | 数量 |
|---|---|---|
| 目隠しフェンス(H=1300) | 200角 × 深さ400mm | 12個 |
| 境界フェンス(H=900) | 180角 × 深さ250mm | 2個 |
柱の間隔や柱の高さ、フェンスが受ける風圧、などにより必要な深さは違ってきますが、
「この場合はこうすれば大丈夫!」
といった明確な基準はありません。
基礎設計の基本的な考え方は、
「高いフェンスほど、また風圧が強いほど深く、大きく」
です。
風圧は逃がす設計ですが、H=1300mmの目隠しフェンスは深さ400mmでしっかり目に、H=900mmのフェンスは250mmで済ませました。
不安な場合は深め・大きめに設計しておく方が安心です。
ブロック上に立てるフェンスの高さ制限
計画を進める中で気にしていたのが、
「ブロック塀の上に立てるフェンスの高さに制限がある」という話。
外構業者からこう聞いていました。
「ブロック塀の上に乗せるフェンスは1200mm以下にするのが安全基準」だと。
日本建築学会の設計規準に「ブロック上に設置するフェンスは120cm以下」という施工上のルールがあるようです。
一方、独立基礎の場合はフェンス単体に明確な高さ制限はありません。
今回の設計は道路側フェンスが1300mm。
道路境界には1200mmに収まらないであろう目隠しフェンス立てることを予定していたのでブロック施工時には金物は入れてもらわずに、独立基礎で設置することを想定していました。
なお、庭は道路面より400mm以上高いため、土留めブロックの高さと合わせると道路から見た実質的な高さは1700mm以上となります。
目隠し板は1200〜1700mmの間を覆うので、大半の人の目線を遮れる高さです。
「1200mmまで」というルールは、あくまでブロック塀の上に乗せる場合の施工慣行で、独立基礎には影響しません。判断に迷う場合は外構業者や自治体への確認をおすすめします。
木材の購入費用を抑える工夫
次の点を意識すると、若干ですが木材の購入費用を抑えることが出来ます。
短材を購入する
短材とは、規格サイズに裁断した際に出る端材のようなものです。
品質はまったく同じですが、長材に比べて安く購入できます。
お肉で例えると、A5の塊は高価でも切り落とし肉はお手頃、といったらイメージがしやすいでしょうか。
長いものを購入してカットするより、はじめから短いもの購入する方が費用が安く済みます。
さらに短材の方が重量当たりの送料も安い傾向にあります。
これもまた私が使うショップの価格(2026年3月)ですが以下のようになり、長さが半分になると価格が三分の一ほどになることもあります。
| 長さ | 70×70mm | 120×20mm |
|---|---|---|
| 900mm | 1,940円 | 712円 |
| 1800mm | 4,753円 | 2,138円 |
材料を段階的に購入する
最初に全部まとめて購入したくなるのですが、DIYの規模が大きい場合は工程を区切り、材料を分けて発注することをおすすめします。
切断サイズを間違えたり、設計を修正したりと、現場での変更が必ずあるからです。
そうすると余る材料や足りない材料が出てきてしまいますが、段階的に発注すると余った材を次の工程に充てられるので無駄のない発注ができます。
今回はフェンス⇒デッキと大規模なDIYでしたので、あわせて7回に分けて発注しました。
費用の総額
フェンスにかかった総額は約37万円でした。
業者に依頼するつもりはなかったので見積もりは取っていませんが、相場はフェンスの長さ1mあたり約25,000〜40,000円ほどのようで、35メートルでは100万円前後になります。
DIYで60万円ほどの費用が浮いた計算です。
「フェンス製作編」で詳細を公開します。
簡単な外構DIYの費用シミュレーターもつくってみました
次回予告:フェンス製作編
計画はこれで完了。次回はいよいよ製作です。
穴掘り、モルタル打設と柱の設置、板張り、ワイヤーロープ張り、扉製作まで全工程を写真を入れて詳細に公開します。
「モルタルに埋めた柱脚金物がじわじわ浮き上がる謎の現象」や費用の明細も。
お楽しみに!



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