アルミフレームでパーゴラDIY—木材との比較・費用・施工手順を解説

ミスミのアルミフレームで製作したパーゴラ 庭とDIY
完成間近のパーゴラ
この記事は約9分で読めます。

パーゴラの素材選びで木材を検討したとき、こんな悩みが出てきませんか?

  • ソフトウッドは「腐食が心配」「定期的な塗装が面倒」
  • ハードウッドは「重いし高所での組み上げが大変、正直怖い」

デザイン性・施工性・耐久性を総合的に比較検討した結果、今回選んだのがミスミのアルミフレームです。

以前にデッキと一体化したアルミフレームのフェンスをこの素材で製作していて、使い勝手のよさは体験ずみでした。

製作のきっかけはブドウを育てたかったからです。

夏は葉が日陰をつくって涼しく、冬は落葉して日差しが入る。

さらに実も楽しめるーーそんな欲張りなスペースを目指しました。

製作中は地中の配管や先入れナットの入れ忘れなど、想定外のことがいくつか起きました。

この記事ではそういった失敗と対処も含めてまとめています。

ぜひ参考にしてください。

アルミフレームvs木材——メリット・デメリットと費用

素材選びで迷っている方のために、実際に使ってみて感じたアルミフレームのメリット・デメリットを最初にまとめます。

アルミフレームのメリット

軽くて作業しやすい、かつ安定している

パーゴラは重心が高い構造物なので、組み立て中の取り回しのしやすさが安全に直結します。

アルミは木材に比べて軽いため、高所での作業や位置調整がしやすく、完成後も風荷重に対して十分な強度を持っています。

朽ちにくく、メンテナンスがほぼ不要

木材パーゴラの最大の悩みである腐食や塗装の劣化がまいので、定期的な再塗装や防腐処理が不要です。

ボルト止めで頑丈、組み立てもレンチ1本でOK

専用ブラケットとボルトで固定するため強固な構造になります。

そして組み立ては設計図通りにボルトを締めゆくだけなのでレンチ1本で組み立てが可能です。

※ラチェット式のレンチの使用をおススメします。

断面が小さく、部材が少なくても十分な剛性がある

アルミは素材自体の剛性が高く、ボルト固定も強度が高いので、木材より細い断面、少ない部材でも同等以上の強度が出せます。

CAD連動でカット済み納品—現場加工がほぼ不要

設計した寸法通りにカットされた状態で届くため、現場での切断作業がほぼ発生しません。

木材のように反りや節による誤差もなく、設計通りの精度で仕上がります。

アルミフレームのデメリット

個人名義では購入できない

ミスミは法人・個人事業主向けのBtoB販売のため、個人名義での購入はできません。

個人事業主であれば購入可能です。

他のメーカーのアルミフレームも個人購入できるものは探せませんでした。

一般の方がアルミフレームパーゴラに挑戦したい場合は、この点が最大で最初のハードルになります。

価格はハードウッドと同程度

SPFなどの一般的な木材と比べると材料費は上がります。

今回の費用は骨組みまでで約84,000円でした。

いずれシェードの屋根と誘因線を取り付ける予定です。

ハードウッドのイタウバと比較してみたところ、同程度の金額となりそうです。

断面が小さくても十分な剛性があるため木材より少ない部材数で済み、素材単価の差ほど総費用は変わらないというのが実感です。

なお、費用の約30%は専用金具代が占めます。

設計にCADソフトが必要

CADで寸法を正確に描くことが前提の素材です。

CADに慣れていない方には2番目のハードルになります。

ただし、後述するMISUMI FRAMESは無料でCAD未経験者でも取り組みやすく、一度覚えてしまえば設計から発注まで連動できるため、設計の手間が大きく削減できます。

先入れナットの扱いに慣れるまで大変

組み立てに使う先入れナット(Tナット)は、フレームの溝にあらかじめ通しておく必要があります。

アルミフレームの先入れナット(Tナット)をブラケットに付けた写真
先入れナット(Tナット)。断面がTの字に見えます。

慣れるまでは入れ忘れが頻発しやすく、やり直し作業が発生します。

詳しくは後の工程で解説します。

まとめると

アルミフレーム木材
耐久性◎ 腐食なし△ 定期的な防腐処理が必要
 (ソフトウッド)
作業性◎ 軽量・カット済み納品○ 加工の自由度は高い
強度◎ ボルト止めで頑丈○ 金具使用や加工で強度出る
精度◎ 設計通りに仕上がる△ 反りの影響あり
費用○ ハードウッドと同程度◎ SPFは安い
設計の手間△ CAD必須○ 手書きでも対応可

「とにかく費用を抑えたい」ならSPFなど安価な木材が向いています。

ハードウッドと迷っているなら費用面はほぼ同じなので、あとは素材の質感や好みの問題になります。木の温もりや自然素材の風合いを重視するなら木材、メンテナンスフリーで長く使いたい・モダンな外観に合わせたいならアルミフレームが向いています。

なお今回はブラックのアルミフレームを使用しました。

通常のアルミ色と比べて約3割ほど価格が上がりますが、モダンな外構にはブラックの方が断然合うと感じています。

1. 設計—MISUMI FRAMESで変形した敷地を攻略する

今回製作したパーゴラは少し変わった平面形状をしています。

庭の園路に合わせた結果、長方形を3つつなげたような形になりました。

CADで描いたパーゴラを上から見た図面
パーゴラを上から見たCAD図面

南北方向に約4メートル、東西方向は3つのゾーンに分かれていて、それぞれ約90センチ・約195センチ・約230センチという構成です。

片側はすでに設置済みのウッドフェンスに接続しました。

こういった変形した形を紙に手書きで設計しようとすると、部材の厚みを考慮したりしないといけないので頭が混乱します。

今回使用したのが、ミスミが無料で提供している専用設計ソフト「MISUMI FRAMES」です。

MISUMI FRAMESとは

MISUMI FRAMESは、アルミフレーム専用の設計ソフトです。

CADで描いたアルミフレームのパーゴラの立体図面
CADで描いた立体図面

ミスミのアカウントがあれば無料でダウンロードできます。

CAD経験がなくても、マウス操作でフレームを配置していくだけで3D設計図が完成します。

特に便利なのが以下の点です。

  • ブラケットの自動配置:フレームを繋ぐ箇所に必要なブラケットが自動で選定・配置されるため、金具の選定ミスがなくなります
  • 部品表と型番の自動生成:設計が完了すると部材リストが自動で作成され、型番の打ち間違いや数え間違いが防げます
  • そのまま発注まで完結:ソフト内でリアルタイムに金額を確認しながら、ミスミのECサイトと連携してそのまま発注できます

本来は産業用装置のフレーム設計を想定したソフトですが、パーゴラのような屋外構造物の設計にも充分対応できます。

変形した敷地でも、CADさえしっかり描ければ後の工程がグッと楽になります。

今回使用した部材

  • 柱材:アルミフレーム 30×60mm(ブラック)
  • 梁材:アルミフレーム 30×30mm(ブラック)
  • 接合:専用ブラケット+ボルト+先入れナット(一部後入れナット)
CADで出力したアルミフレームのパーゴラの部品表
CADから出力した部品表

2. 基礎の仮置き—発注前に現地で寸法を確かめる

設計が完了したら、部材を発注する前に基礎の仮置きをします。

穴を掘って独立基礎を仮置きした状態
独立基礎の仮置き

図面通りに穴を掘り独立基礎を置いて、位置を確認します。

実際に穴を掘って基礎が置けることを確かめてから発注することで、「届いた部材に合せて穴が掘れない」という事態を防ぐつもりでした。

想定外のことが起きる—PF管が出てきた

仮置きのとき、予定より5センチほど浅い深さまで掘って地中に障害物がないかを確認しました。

「これなら大丈夫だろう」と判断して発注を進めたのですが、本固定のために最終的な深さまで掘り下げたところ、一か所の穴でPF管(電線保護管)に当たってしまいました。

基礎をそのまま置くと干渉してしまうため、位置を5センチずらすか、この基礎だけ浅埋めにするか迷った末、位置をずらすことに。

設計上約200センチにしていた2番目のゾーンを約195センチに変更しました。アルミ材は丸鋸でカットできたので現場対応できましたが、余計な手間がかかったのは間違いありません。

仮置きの穴掘りを行う場合は中途半端にせず、最終的に埋める深さまでやりきったほうが良いです。

3. 発注—設計した寸法のままカットされて届く

基礎の仮置きで寸法が確定したら、いよいよ部材を発注します。

ミスミのアルミフレームは、設計した寸法通りにカットされた状態で、しっかりと梱包されて届きます。

現場での切断作業がほぼ不要なのは、精度面でも手間の面でも本当に助かります。

今回のように現場で寸法変更が生じた場合は、アルミ材を丸鋸でカットして対応できますが、アルミ対応の刃を使うことが前提です。

4. 組み立て—先入れナットの入れ忘れに気をつける

ミスミアルミフレームの組み立て方

ミスミのアルミフレームは、断面に溝が入ったフレーム材に「先入れナット(Tナット)」をあらかじめセットし、後からブラケットをボルトで締めて固定する仕組みです。

フレーム同士を精度の高い直角でボルトでしっかりと繋げられるため、DIYでも強固な構造が作れます。

CADでアルミフレームのブラケット接続部を拡大した図面
CADでブラケット接続部を拡大

先入れナットの入れ忘れ問題—対策は2つ

先入れナットは、フレームの溝にあらかじめ通しておかなければなりません。

実は以前にデッキと一体化したフェンスをアルミフレームで製作した際、この入れ忘れで何度も組み立てをやり直す羽目になっていました。

一度組み上げてしまうと、フレームを外すところからやり直しになります。

その反省を踏まえて今回は対策を用意したのですが、それでも完全にはなくならず、慣れた作業でも油断すると抜けてしまうのがこのナットの難しいところです。

入れ忘れの対策は2つあります。

ひとつは、「このフレームに必要なナットをすべて通してから次の工程へ」というルールを徹底することです。

頭でわかっていても作業中は抜けやすいので、チェックリストを手元に置いておくのもおすすめです。

もうひとつは、「後入れナット」を使うことです。

後入れナットは組み立て途中からでもフレームの溝に差し込めるタイプで、入れ忘れをその場でリカバリーできます。

先入れナットより単価は少し上がりますが、入れ忘れたときのために後入れナットをいくつか用意しておくのも良いかもしれません。

ウッドフェンスに台座と柱を設置

組み立ては、ウッドフェンス側の4本の柱を立てるための4メートルの台座アルミフレームのフェンスへの取り付けから始めました。

ここが基準点になるため、位置合わせは慎重に行います。

まずはフェンスの笠木に裏側からボルトでTナットを固定し、そこにアルミフレームのレールを合せて滑らせるように移動、位置を決めたらボルトを締め増します。

ウッドフェンスの笠木にパーゴラの台座固定用のTナットを取り付けた状態
まずは笠木にTナットを取り付け
ウッドフェンスの笠木にパーゴラの台座を取り付ける様子
Tナットとフレームのレールを合せ、レールを滑らせて台座を位置決めします

台座を固定したらこれにブラケットで柱を4本立てます。

フェンスの笠木が完全な水平ではなかったため、柱を固定したら柱が微妙に傾いてしまったのでアルミ板を追加購入して台座と笠木の間に挟み、水平を出してリカバリーしました。

地面側の柱は1本ずつ固定する

地面側の4本の柱は、上側は隣の柱と梁を組んで固定、基礎側はクランプで高さを調整して1本ずつ位置と垂直を確認してセメントで固定していきました。

パーゴラの柱にクランプで板を固定して柱の位置と高さを調整している写真
クランプで板を固定して位置と高さを調整
  • 上側を梁で隣の柱と繋ぐ
  • 基礎側で位置・高さ・垂直を調整してセメント固定
  • 次の柱へ

という順番です。

柱を梁と固定することで隣の柱との距離と直角が自然に出るため、全体のズレが最小限に抑えられます。

すべてを組んでセメントで一度に固めるより手間はかかりますが、間違いや仮組の倒壊の恐れもなく、安心して施工できました。

なお、今回は黒のアルミフレームを使用したので、セメント固定の際に柱の根元に付着したコンクリート目立ってしまいます。

黒いマジックで塗りつぶそうかと思っているところですが、コンクリート作業の前に養生テープで柱の根元を保護しておくことをおすすめします。

パーゴラのブラックのアルミ支柱の根元に残ったコンクリート汚れ
柱の根元にコンクリート汚れが・・・

まとめ—課題はあったが、アルミフレームの選択は正解だった

完成したアルミフレームのパーゴラ
完成したパーゴラ

今回の製作で起きた想定外の出来事を振り返ると、

「確認を省いたツケが後から来る」

という共通点があります。

PF管の件もナット入れ忘れの件も、事前にひと手間かけておけば防げた問題でした。

一方で、MISUMI FRAMESを使った設計から発注、組み立てまでの流れのスムーズさは今回も健在でした。

CAD連動のカット済み納品、ブラケットだけで組める構造、腐食の心配がない素材。

木材パーゴラに迷いのある方には、材料調達が可能であればぜひ一度検討してほしい選択肢です。

性能面ではハードウッドに対して優位性があると感じています。

あとは素材の質感や好み次第で、という話になります。

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